一般社団法人広島市医師会臨床検査センター

Hiroshima City Medical Association Clinical laboratory

Q142 塗抹検査で認められた菌が培養検査では報告がない場合、どのような理由が考えられますか?

A142

以下の理由が考えられます。

 

①菌が死滅している場合

抗菌薬の影響を受けている場合や検体の保存が適切でない場合は、菌が死滅している、または弱っている可能性があります。塗抹検査は死菌も染色されますが、培養検査では死滅した菌や弱っている菌は発育しないことがあります。

 

②特殊な培地や培養条件でのみ発育する菌の場合

Bordetella pertussis(百日咳菌)など特殊な培地でのみ発育する菌や、酸素が存在すると発育できない嫌気性菌の場合は、一般細菌培養検査では菌が発育しないことがあります。

 

③喀痰など常在菌が多く存在する材料の場合

塗抹検査で複数の菌が認められていても、培養検査では起因菌と推定される菌を選択して同定検査を行います。そのため、塗抹検査で認められた菌が必ずしも全て培養検査で報告されるとは限りません。

 

担当 検査科 微生物係

 

 

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