Q102 百日咳菌感染症を疑っており検査を依頼したいのですが、それぞれの検査の特徴について教えて下さい。
A102
百日咳検査は、2016年にLAMP法やIgAとIgM抗体測定が保険適用されたことを機に、小児呼吸器感染症診断ガイドライン2017にて診断フローが改訂されています(総合検査案内2018 77ページ参照)。その診断フローに示される検査についての特徴を下記にお示しします。
① 百日咳菌DNA(LAMP法)
・材料は後鼻腔ぬぐい液を提出。
・感度、特異度が高く、早期診断に有用。
・有効抗菌薬を投与されている場合は、偽陰性の可能性あり。
② 百日咳菌抗体(2種類の抗体を報告)
・ワクチン接種の影響を受けるため、ペア血清の判定が望ましい。
・PT-IgG抗体は、2週間後から徐々に上昇し、ピークは4週間後以降。
・FHA-IgG抗体は、特異性が乏しいため、参考程度となる。
③ 百日咳抗体IgA ④ 百日咳抗体IgM
・ワクチン接種の影響を受けないため、単一検査での診断が可能。
・IgMの方が、IgAと比較し、感度が高いと言われている。
<百日咳検査のタイミング>
*百日咳感染症は5類感染症のため、診断後7日以内に届け出が必要です。
担当 生化・免疫係
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