Q95 総合報告書のコメント欄に「溶血検体のため参考値です」と記載がありましたが、どのように解釈すれば良いですか。
A95
溶血とは種々の要因から赤血球の膜が破れ、ヘモグロビンが流出する状態です。これにより、遠心分離後の血清が赤くなります。(写真1)
溶血により以下の検査項目が影響を受けるため参考値としています。
1)血球内の成分が漏れて偽高値になるもの
⇒ K(カリウム)、LD、AST
2)溶血により漏出した分解酵素で偽低値となるもの
⇒ インスリン、BNP
上記以外の検査項目でも著しい強溶血では検査不能となります。
また、溶血の主要因として以下のように採血手技に注意が必要です。
1)消毒用アルコールが乾いてから注射針を刺す。
2)採血管の陰圧のみで移し、シリンジを押し出さない。
3)規定量より少量採血になった場合、再び採血針のみを栓に刺し陰圧を解除する。
4)23Gより細い採血針を使用する場合、シリンジ採血にてゆっくり行う。
担当 生化・免疫係
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