一般社団法人広島市医師会臨床検査センター

Hiroshima City Medical Association Clinical laboratory

Q30 尿試験紙で潜血が陽性なのに、尿沈渣で赤血球が認められない場合の原因 として考えられることは何ですか。

A30

このような尿試験紙と尿沈渣との結果が乖離する場合は、試験紙の偽陽性をまず考え、以下にその要因をあげます。

【要因1】赤血球の破壊のため

a.高度低張尿  (低張尿による赤血球膨化)
b.古い尿    (尿アルカリ化による赤血球膨化)
c.高アルカリ性尿(尿アルカリ化による赤血球膨化)

【要因2】他の酸化物による反応のため

d.高度な細菌尿 (ペルオキシダーゼによる反応)
e.高度な白血球尿(ペルオキシダーゼによる反応)
f.大量の精液混入(ジアミンオキシダーゼによる反応)
g.過酸化物の混入(過酸化水素、サラシ粉、次亜塩素酸などによる反応)
h.ヘモグロビン尿(体内での溶血)
i.ミオグロビン尿(ヘモグロビンとの交差反応性)
※「ヘモグロビン尿」や「ミオグロビン尿」では、尿の色調が赤~暗褐色調になります。

 

 

Q&Aは広島市医師会会員及び当検査センターをご利用の医療関係者(医師、看護師、臨床検査技師等)を対象に臨床検査に関わる情報を提供しています。掲載する情報は、一般の方に対する情報提供を目的としたものではないことをご了承ください。