Q48 検査報告書に「溶血」と表示されてあったのですが、「溶血」を防ぐにはどのように採血したらよいのですか。
A48
「溶血」によって影響を受ける検査項目もあるため、『溶血を防ぐための採血時のポイント』を以下にお示しします。
a.採血時は消毒用アルコールが乾いてから注射針を刺します。
b.ホルダー採血の場合
血液が採血管の底を直撃していたら少し傾けます。
泡立ちは溶血の原因となります。
c.注射器(シリンジ)採血の場合
血液が出にくい時、吸引に圧をかけ過ぎないようにします。
採血管に移すとき、採血管の陰圧のみで移します。
シリンジを押すと必ずといっていいほど溶血します。
d.採血管の容量よりも少量しか採血できなかった場合
採血管内に陰圧が残ったままの状態になり、その影響で溶血を起こす可能性があります。
もう一度採血針のみを栓に刺し、採血管内を平圧に戻します。
e.採血直後に4℃冷蔵庫に入れないようにします。
血球が壊れて溶血を起こします。
*日本臨床検査標準協議会(JCCLS)発行の『標準採血法ガイドライン第2版』を参考にしています。
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