一般社団法人広島市医師会臨床検査センター

Hiroshima City Medical Association Clinical laboratory

臨床検査センターインフォメーション
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アレルギー検査新規実施項目のお知らせ

謹啓 時下ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。
平素は格別のご高配を賜り厚くお礼申し上げます。

このたび、アレルギー検査2項目を新たに実施することとしましたのでご案内致します。今後とも先生方のご要望にお応えするため、最新の検査情報をご提供できるよう努めてまいりますのでご利用の程、宜しくお願い申し上げます。

敬白

 

 

■実施日 平成28年 4月 1日(金) ご依頼分より

■新規実施項目

■特異的IgE(シングルアレルゲン)FEIA法(判定基準)

 

Gly m 4(大豆由来)

「Gly m 4」は大豆アレルゲンコンポーネント*1)の1つで、大豆のクラス2食物アレルギー*2)の原因物質です。大豆のクラス2食物アレルギーは、シラカンバやハンノキなどの花粉の吸入により感作され、その後、共通抗原性のある「Gly m 4」を含む大豆加工品を摂取した際に、口腔症状などの様々なアレルギー症状を呈します。
これまで、既存の特異的IgE「大豆」では、成人に多い大豆アレルギー(豆乳など)で陰性と判定される場合がありましたが、「Gly m 4」を測定することにより、これらの患者の多くを陽性として判定することが可能となりました。「Gly m 4」は、大豆のクラス2食物アレルギーの診断補助として有用な検査です。
なお、大豆によるアレルギーは、「Gly m 4」以外のアレルゲンコンポーネントによるものもあるため、「大豆」も合わせて測定することをお奨めいたします。

 

■疾患との関連

食餌性アレルギー

 

■ 関連する主な検査項目

特異的IgE(シングルアレルゲン)
大豆、シラカンバ、ハンノキ

 

Hev b 6.02(ラテックス由来)

「Hev b 6.02」は、天然ゴムラテックスに含有されるアレルゲンコンポーネント*1)の1つで、医療従事者に代表される、日常的にラテックス製品に接触することでアレルギーを発症するラテックスアレルギーの主要アレルゲンとされています。
これまで、既存の特異的IgE「ラテックス」では、臨床症状がない方を陽性と判定することがありましたが、「Hev b 6.02」を測定すること診断精度が向上いたしました。
なお、ラテックスによるアレルギーには、「Hev b 6.02」以外のアレルゲンコンポーネントによるものもあるため、「ラテックス」も合わせて測定することをお奨めいたします。

■疾患との関連

職業性アレルギー

 

■ 関連する主な検査項目

特異的IgE(シングルアレルゲン)
ラテックス

 

*1)アレルゲンコンポーネント
アレルギー反応を誘発する原因物質(アレルゲン)には、多数のタンパク質が含まれています。これらのタンパク質のうちアレルゲン特異的IgEと反応する単一のタンパク質をアレルゲンコンポーネントと呼びます。
*2)クラス 2 食物アレルギー
経腸管感作による即時型食物アレルギーをクラス 1 食物アレルギーと呼ぶのに対し、花粉などとの交差反応性によって経気道的に発症する即時型アレルギーをクラス2食物アレルギーと呼びます。
【参考資料】
臨床検査センターだより 平成 26 年 11 月号
【特集】ピーナッツアレルゲンコンポーネント Ara h2の有用性