新規実施項目のお知らせ
平素は格別のご高配を賜り厚くお礼申し上げます。
このたび、新たに下記の項目が受託可能となりましたのでご案内いたします。
この新規項目は現在ご依頼頂いているSARS-CoV-2_抗体と異なり、ワクチン接種で誘発されるスパイク抗体を検出するため、ワクチン免疫状態確認に有用です。
ご利用いただきますよう、お願い申し上げます。
記
■実施日 令和3年3月31日(水) ご依頼分より
■新規実施項目
(注1)SARS-CoV-2ワクチンはスパイク(S)抗体を特異的に誘発するため、ワクチン免疫状態確認には、スパイク(S)をターゲットにした上記抗体検査をお勧めします。
(現在ご依頼のSARS-CoV-2抗体のターゲットは、ヌクレオカプシド(N)のため)
<現行の抗体検査> インフォメーションNo.2020-38
これまでどおり新型コロナ感染の既往を示す抗体を保有しているかを把握する目的でご依頼できます。
詳細については以下をご参照ください。
●SARS-CoV-2抗体 S
スパイク(S)タンパク質に対する抗体(IgGを含む)を測定する定量検査です。
新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)は、スパイク(S)、エンベロープ(E)、メンブレン(M)、ヌクレオカプシド(N)の4種類の構造タンパク質で構成されています(図1)。コロナウイルスに特徴的な表面の突起を形成するSタンパク質には、ヒト細胞に感染する際に不可欠な受容体結合ドメイン(RBD)が存在しています。RBDが、ヒトの呼吸器や粘膜の上皮細胞表面に存在するアンジオテンシン変換酵素2型(ACE2)受容体と結合することで、ウイルスは宿主細胞に侵入します。
SARS-CoV-2ワクチンは、Sタンパク質特異的に免疫反応を誘発するよう設計されているものが多く、Sタンパク質に対する抗体検査は、ワクチン接種前の免疫状態の確認およびワクチン接種後の免疫応答の定量測定などの使用が期待されています。
本検査は、ロシュ・ダイアグノスティックス社の研究用試薬「Elecsys® Anti-SARS-CoV-2 S RUO」を用い、検体中のSARS-CoV-2 Sタンパク質のRBDに対する抗体(IgGを含む)を定量的に測定する検査であり、定量値と判定結果をご報告いたします。
図1 SARS-CoV-2の構造 (ロシュ社 Webサイトより)
<主な検査目的>
・ワクチン接種前の免疫状態の確認
・ワクチン接種後の免疫応答の定量測定
<感 度>
*このデータはPCR陽性有症患者より採取した検体を測定した結果です。
PCR陽性後14日未満では86.1%、14日以上では98.8%の抗体検出感度
「Elecsys Anti-SARS-CoV-2S RUO」 ロシュ社リーフレットより一部改変
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