Q112 全国的にALP(アルカリホスファターゼ)の検査方法が変更になると聞きましたが、経緯と影響度合いを教えて下さい。
A112
現在、日本で測定しているALP(アルカリホスファターゼ)の試薬は、JSCC(日本臨床化学会)常用基準法が用いられています。
この試薬は、ALPのアイソザイムである肝、骨、小腸、胎盤に均一に反応する特徴があり、従来から以下の問題点が指摘されていました。
<現行試薬の問題点>
①血液型B、O型の分泌型の患者では、疾患と無関係に食事後(特に高脂肪食)に小腸型ALPが上昇し高値を示す。
②日本独自の測定方法であり、国際的な治験に参加できない。
上記問題点を踏まえて、JSCCは、2020年4月1日より1年間の移行期間を設けて、国際標準試薬であるIFCC(国際臨床化学連合)測定法への変更を決定しました。
このIFCC測定法試薬では、小腸型ALPの反応を抑えるため従来の基準範囲が大きく異なりますので注意が必要です。(表1参照)
担当 検査科
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