検査基準範囲変更のお知らせ
平素は格別のご高配を賜り厚くお礼申し上げます。
このたび、当検査センターで実施している34項目の検査につきまして、広島県下の基準範囲統一を目的とした広島県医師会推奨の検査基準範囲(JCCLS共用基準範囲)に変更することと致しましたのでご案内申し上げます。
記
■実施日 令和2年6月1日(月) ご依頼分より
■変更理由 広島県下での検査基準範囲共有化のため
①広島県医師会推奨の共有基準範囲(平成26年4月1日より採用)の廃止
②広島県医師会より新共用基準範囲(JCCLS共用基準範囲)への推奨変更
■主な変更点
JCCLS共用基準範囲採用により
①末梢血液一般検査の国際単位への変更(赤血球数、白血球数、血小板数)
②臨床判断値採用項目(脂質系項目、尿酸)は健常人の基準範囲へ変更
詳細は以下参照
<これまでの経緯>
現在使用している基準範囲は広島県医師会より、広島県下での主要検査項目の基準範囲統一を目的とし、「共有基準範囲」として設定されており、当検査センターは平成26年4月1日より採用しています。(インフォメーションNo.2014-02参照)
その後、日本医師会、日本臨床検査技師会などが地域差がないことが証明された「JCCLS共用基準範囲」を全国的な基準範囲統一を目的とし、採用することを推奨しています。
この「JCCLS共用基準範囲」の全国的な推奨を受けて、広島県医師会はこれまで推奨してきた「共有基準範囲」を廃止し、新たな広島県下統一基準範囲として「JCCLS共用基準範囲」を採用したことを受けて、当検査センターでも変更することにしました。
<JCCLS共用基準範囲とは>
3種類の健常人検査値データ(日本臨床衛生検査技師会・IFCC市原プロジェクト・福岡県5病院会)をもとに作成され、地域差がないことが証明された日本全国で共用できる基準範囲。
(JCCLS ⇒ 日本臨床検査標準協議会)
<基準範囲と臨床判断値>
*基準範囲とは
基準範囲とは一定の基準を満たす健常者より測定した値の分布中央95%の区間で設定され、さまざまな病態の検査値を解釈する基準(目安)となります。
しかし、正常、異常の区別や特定の病態の有無を判断する値ではありません。(図1)
日本臨床検査標準化協議会 基準範囲共用化委員会編
「日本における主要な臨床検査項目の共用基準範囲案」より
(www.jccls.org/techreport/public_comment_201405_p.pdf)
*臨床判断値とは
臨床判断値とは特定の病態について、その診断、予防や治療、予後について判断を行う基準となり、その中で基準範囲として当検査センターで採用してきた項目(表1)は予防医学閾値であり、特定の疾患の発症リスクが高いと予測され、予防医学的な観点から早期介入の目安として設定された値です。
疫学的研究等に裏打ちされた、ある特定の病態には意味がある数値ですが、その特定の病態以外においては使用されることは想定されていない数値です。
<変更箇所ポイント>
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