Q14 喀痰細胞診報告書の「組織球(+)」とはどういうことですか。
A14
喀痰細胞診で「組織球(+)」とは、肺深部から喀出された喀痰で、判定に適した検体の指標といえます。
肺胞組織球は肺胞内に存在し、その貪食能より肺胞内の異物を除去する働きをしています。検体として提出されたものが、鼻汁や唾液ではなく、喀痰であるかどうかは、この肺胞組織球の存在の有無で判定されます。
喀痰を喀出したつもりでも、標本中に組織球がみられなければ、検体は唾液や鼻汁と考えられ、喀痰細胞診を判定するには適した検体とはいえず、材料不適となります。(参考資料: スタンダード細胞診テキスト 第 2 版, 医歯薬出版株式会社, 2002)
【喀痰の喀出方法】
良好な喀痰を提出していただくためには、スタッフの方々による患者様への喀痰採取方法の指導が非常に重要となります。起床後、口腔内を清潔にし、大きな咳をして容器に直接痰をとるようご指導ください。乾かないよう蓋をしてご提出ください。
Q&Aは広島市医師会会員及び当検査センターをご利用の医療関係者(医師、看護師、臨床検査技師等)を対象に臨床検査に関わる情報を提供しています。掲載する情報は、一般の方に対する情報提供を目的としたものではないことをご了承ください。